Kooger, the Dog
STORY
第1話 クーガーとヒュイアの出会い
降りしきる雨の中、待ち合わせした喫茶店前で恋人を待つヒュイア。待てども暮らせども現れない恋人。やっと送られてきた彼からのメール、
「もう恋人同士ではいられない。別れよう。」
人目も憚らず、泣きながらその場から走り去るヒュイア、走り疲れて辿り着いた先には、たくさんの可愛い犬達がショーウインドーから彼女を伺う。
彼女に媚びを売る子、可愛いしぐさで気に入られようとする子、甘えた声で吠える子、そんな中、一匹だけは彼女に目もくれず、ひっくり返って寝かぶっている子がいる。
彼は夢を見ていた。
砂漠を歩き疲れて、やっと見付けたオアシス。「やっと水にありつけたぞ!」寝ぼけながらも飛び起き、水が見えた方角へ走り出した瞬間、ショーウインドーの窓ガラスに激突。くらみながらも目を凝らしてみると、窓ガラスの向こうで雨に打たれつつ、泣きながらこちらを覗く女の子が見えた。
いや、彼は彼女を見ていたのではなく、彼女の目からポロポロ零れ落ちる大粒の涙を凝視しているだけだった。
「水!、水!」 窓ガラス越しに、必死に彼女に飛び付こうとする彼。
「なんて可愛い犬なんでしょう。私にこんなになついてるなんて。彼を連れて帰るわ。」
果たして、クーガーとヒュイアは出会い、共に生活することになった。